ラッキーバンクはこれからどう変わる?

今年2月に、金融庁から行政処分を受けたラッキーバンク。

その後案件の募集は5ヶ月以上停止状態であり、案件募集再開の目処も立っていません。

ソーシャルレンディング業界に、大きな衝撃を与えたこのラッキーバンクへの行政処分。

行政処分の内容は、同社の案件が大変いびつな運営のもと利益を出していたということが、明らかになっていくものでした。

 

この行政処分の内容を受けてラッキーバンクでは、6月末に業務改善報告と、今後の業務方針を決定しています。

新生ラッキーバンクは今後どのようになっていくのか、そして業務再開のめどは立っているのかを、電話問い合わせなどか考えてみました。

 

1.ラッキーバンクが受けた行政処分の内容

 

2月20日に、ラッキーバンクに対し金融庁から行政処分が下されました。

営業停止には至らなかったものの、その内容はラッキーバンクの提供するソーシャルレンディング案件に対する厳しい指摘が多数提示されたものとなっていました。

創業から順調に投資家からの資金を集めていたラッキーバンクでしたが、投資家の同社に対する捉え方を変えるには、十分な内容の処分となっていました。

 

具体的には主に以下の4点となっています。

 

  • 融資先が田中社長の親族が経営するX社にほぼ限られていたということ
  • X社への融資を通すため、X社の決算情報など書類の改ざんを行っていたこと
  • X社への融資に設定した担保の評価が、第三者によるものではなくラッキーバンク社内で算出したものであったこと
  • 融資先のX社の会議に田中社長自身が積極的に参加している状況であったこと

 

つまりラッキーバンクは自らの関連会社である、X社に資金を調達するために作られた会社であったという実態が明らかにされたのです。

 

X社への融資を通すために、まるでX社の事業が順調なようであるかのように書類を改ざん。

そしてX社の会議にラッキーバンク田中社長も参加することで、X社に今どの程度資金が必要なのか、そこにラッキーバンクを通じてどの程度資金の募集を行うかなど、会議によって決めていたことが推測されます。

 

さらに投資家に対し、安心感を与えるためにラッキーバンク自体が正式な行程を経て作成されていない、不動産の評価書を作成し、投資家に掲示していたのです。

 

これを受けて投資家側も、これまでの評価と一転。ラッキーバンクがとても信用できる会社ではないと評判を抱くようになりました。

 

同社でその時点で運用していた案件の融資総額は90億円以上。3月、4月と前倒しの返済が行われ40億円ほどが投資家に返済されましたが、現在でも50億円以上の資金が投資家に返済されていません。

分配金も2ヶ月ほどは支払われていましたが、7月時点では完全にストップしています。

 

同社では金融庁からの業務改善命令を受け、4月2日に業務改善報告を発表する予定でしたが、金融庁の求める水準にラッキーバンクの業務改善内容が達していなかったとして、何度も業務案を変更。

ようやく6月29日に、投資家に対しラッキーバンクの今後の業務方針が明らかにされました。

 

2.ラッキーバンクの案件は転売から開発案件中心にシフト

 

ラッキーバンクの運営する案件が、この後どのような方針に変化していくかということは以下のファイルから確認できます。

https://www.lucky-bank.jp/news_files/180629/gyoumukaizen_180629.pdf

>なお、弊社は、今般の行政処分を踏まえ、これまでの弊社のビジネスモデルを一から見直します。

 

今後のソーシャルレンティング事業において、単に不動産転売による収益を目的とする不動産事業会社に融資を実行するのではなく、中古不動産の再生を図り、収益化の向上を目的とするプロジェクト(不動産事業会社)への融資に特化していきます。

 

具体的には、リノベーション会社や運営会社と協働し、国内の設備・構造が有効に活用されていない中古不動産で、リノベーション等(例:ホステル案件)によって、テナント収益の向上を見込めるプロジェクト(不動産事業会社)に対し、物件の取得又はリノベーション費用等を融資していく予定です。

 

ラッキーバンクとX社のビジネスモデルは、従来はラッキーバンクを通じてX社が不動産購入用の資金を調達。

そしてリフォームやリノベーションを行い、付加価値をつけた上で他社に転売をするというものでした。

 

しかし、転売がうまく進まなかった場合投資家への分配金が支払えなかったり、元本の償還が遅れたりすることになります。

 

そのため今後はラッキーバンクを通じて不動産事業を行う会社に資金を融資。

そして転売による利益を目的とするのではなく、テナントとしての収益が見込める物件への融資を行っていくという方針を明らかにしています。

 

事業の収益目的となると、長期運用案件が中心となり、従来のような好利回りが保証されるとは考えにくいです。しかし、事業の運用次第によっては、当初の提示利回り入よりも高い利益が見込めることもあります。

 

その意味では、maneoの関連会社が提供しているプレリートファンドに近い性質を持つかもしれません。

 

3.方向性は定まったものの、案件の提供までには時間を要する状況

 

一方で6月29日にこの方針が発表されたものの、7月末現在ではラッキーバンクはまだ案件の募集を再開していません。

同社に直接聞いた内容によると、方針が定まったものの具体的な案件をどうするか、またその案件作成の事業スキームなどにおいて金融庁からの許可が下りない状況だということです。

そのため、案件の策定にはまだまだ時間がかかるということでした。

 

中心事業を変更するという方針は認められたものの、まだ金融庁が求める投資家が安全に投資できる水準を満たせる融資先を見つけられていない、また融資スキームを構築できてないことがわかります。

 

ラッキーバンクの社員数はもともと10名程であり、大きな会社ではありません。

従来の案件の任意売却も遅れている状況ですから、並行して新規案件の許可を取り、更に融資先の開発を行っていくことは、マンパワー的になかなか難しい状況だと考えられます。

 

4.返済滞納中の案件の状況は?

 

現在投資家への分配金の返済、そして償還がストップしている従来の案件ですが、こちらの状況はどうなっているのでしょうか。

こちらもラッキーバンクへの調査によると、ゆっくりながらも、着実に任意売却は進んでいると回答しています。

 

ホームページ上で今月何件の任意売却が実行されたなどの発表ありませんが、任意売却が決定した案件に投資していた投資家に対しては、きちんとメールが送信されているようです。

インターネット上でも、売却が決定したという連絡があったという投資家の声が見つかります。

 

ラッキーバンクでもできれば年内中には大半の物件の売却を終わらせ、投資家への償還を終わらせたいという意向を示しています。

 

多少時間はかかるかもしれませんが、安易にサービサーへの債権譲渡に頼るのではなく、投資家に出来る限り元本に近い金額を返済したいという、同社の投資家保護の方針は確かなようです。

 

まとめ

 

ラッキーバンクは金融庁からの行政処分により、投資家からの信用を失いました。

その結果案件の募集を再開できていない状況です。

今後仮に案件の募集を再開できたとしても、投資家からこれまでのようにわずか数分で何千万円ものお金を集めることはなかなか難しいでしょう。

 

同社の今後は、まず当社からの信頼回復に努める必要があります。

そのためには任意売却を着実に進め、大半の投資家から集めた資金を返済したところで、新たな案件の募集を開始する。中途半端に業務を急いで再開するよりも、けじめをつけたところで改めて案件募集を開始するという方向性が、投資家から求められそうです。

まずは任意売却で投資家への資金を返済することが、同社の信頼を回復する最短の手段でしょう。


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