アップルバンク

  • 2018.05.07

アップルバンク

ソーシャルレンディング投資を行うときのリスク対策として、様々な種類の事業に分散投資を行うという手法があります。国内の会社によるソーシャルレンディング案件を見ると、不動産開発案件を中心としたものが多くなっており、同時に担保に不動産が設定されていることも多いため、事業の可能性と安全性の両面で評価を受けています。

しかし不動産バブルの崩壊が起これば事業も不動産担保の価値も一気に低下する恐れもあります。そこで給与前貸しシステムという、ユニークな案件を多く取り扱うアップルバンクをここではご紹介します。

 

1.アップルバンクとはどのような会社か

アップルバンクは2017年4月にソーシャルレンディング事業を開始した会社です。ソーシャルレンディング事業に乗り出しからちょうど一年を経過したところであり、現在までの募集金額は22億円です。平均すると一ヶ月で2億円近い金額を投資家から集めており、登録投資家の人数も2000人を突破するなど事業は順調に推移をしているようです。

会社概要などを見ると社員数が記載されていなかったり、これまでセミナーの実績もなかったりするなど、投資家からは今ひとつアップルバンクという会社の実態が見えてこないという意見もあります。ソーシャルレンディングのシステムとしては、maneoのシステムを利用しているためmaneoグループの一員となっており、投資システム関係の問題などが発生したことはありません。

社長の高橋氏の経歴をネット上で探すと、これまで不動産開発事業などに携わってきたという経歴がわかります。案件も不動産開発案件が多いため、不動産に強みを持っているソーシャルレンディング会社と言えるでしょう。

 

2.アップルバンクの案件の特徴

アップルバンクでは現在主に3種類の案件を取り扱っています。

一つは不動産開発の事業支援ファンド。つまり不動産を開発する事業者に対して融資をするファンドです。

またもう一つは不動産担保を設定した事業支援ファンドです。こちらは様々な事業の運用資金を融資して、担保として不動産を設定しております。

もう一つは前借りシステムを運用する会社への運転資金融資です。

一つ目と二つ目は他の会社にもよく見られる案件であり、事業資金を必要とする会社に何らかの担保を設定して融資するといったものです。

また不動産の運用や転売を目的とする会社に不動産の購入資金及び改修費用などを融資。事業者が不動産を売却した時点で資金を回収し、投資家に利息の金利を支払うというフローになっています。

一方アップルバンクの入手先で、最も独自性が高いのが給与前借りシステムの運用案件です。給与前借りシステムとは、工事現場を視察する会社などが人員を確保するために始めに給与を前払いしてするというものです。

しかし工事を請け負う会社は工事を行う前、つまり売上が発生する前に現金を用意しなくてはいけません。そこで資金の調達元としてソーシャルレンディングを利用しようというのです。給与前借りシステムはまた日本では一般には普及しておらず、違法ではないかと論じる向きもあります。

しかし労働者を確保するため、キャッシュフローに余裕がない会社としては、ソーシャルレンディングを通じて給与前払いするための資金を調達できるのは大きな魅力でしょう。

そういった独自性のある案件を扱っているのです。

 

2-1.利回りは徐々に低下気味

アップルバンクは運用開始当初は利回り10%程度、最大で12%の案件なども見られて非常に利回りの良いソーシャルレンディング会社でした。しかし2018年4月現在では運用中の案件の利回りはほぼ8%で落ち着いており、業界内では平均的な利回りになっています。

10%超える利回りの案件の運用は融資を受ける側の負担が大きく、案件を集めるのも困難になります。アップルバンクとしても利益が減ってしまうため、利回りを下げざるを得なかったというところでしょう。

そのぶんアップルバンクの事業リスクの低下。また融資先の開拓にも繋がりやすくなるので決して悪いところばかりではありません。8%ならば十分な数字とも言えるでしょう。

 

2-2.運用期間は短めなものが多い

アップルバンクの案件を見ると、実際には1億円規模の融資案件でもそれを何分割かして500万円や1000万円の案件として分散運用するものが多くなっています。そのためそれぞれ案件の運用期間も短めに設定されており、3ヶ月から6ヶ月という短期案件が目立ちます。投資家にとっては短期案件が多い方が長期保有リスクを避けられるため、嬉しいところでしょう。

 

2-3.最低投資金額は2万円から

アップルバンクの最低投資金額が2万円からと低い数字になっています。少額からの投資が可能なのでコツコツと貯めていきたい、できれば毎月ソーシャルレンディング投資をしていきたいという人には使いやすい会社です。

 

2-4.融資先の会社数が多い

アップルバンクのそれぞれの案件をチェックしていくと、融資先の会社の名前は直接明らかにされていないながらも、イニシャルのアルファベット2文字で社名が現されています。その融資先の会社の数を見ていくと、ざっと見ただけでも5つ以上の会社を見つけることができます。

ソーシャルレンディングの会社の中には、ラッキーバンクのように、ほぼ1社にのみ融資をしていたというケースもあります。そうなると融資先の会社が事業に失敗すれば、ソーシャルレンディング会社、及び投資家も大きな損失を被る可能性が非常に高くなります。

融資先が分散されていれば、一つの取引等が無くなっただけのダメージとなり、損失もそこまで大きなものにはなりません。その意味ではアップルバンクの倒産リスクは低いと考えられるでしょう。

 

3.アップルバンクの問題点やリスクとは

アップルバンクの案件には問題点はあるのかを細かく見てみましょう。

 

3-1.担保の信用性が低い

アップルバンクの案件は不動産担保を設定したものが多いですが、その不動産担保も無条件で信用するのは危険です。担保を売却し返金する場合には、第一順位の債権者から返済をしていきます。つまり第一順位抵当権が設定されていれば、資金を回収できる可能性が非常に高いです。しかし、残念ながらアップルバンクの不動産担保を見ると、第三順位が目立ちます。もちろん第一順位に抵当権が設定されているものもあるのですが、第三順位となると実際に貸し倒れ起きた時にも、資金を回収できない可能性が高くなってしまうと考えられそうです。

他の担保を見ると融資先の会社の債権などを設定しているものが多く、こちらも換金性の意味では確実性は低いです。

同社で投資をする時は、不動産担保を設定なおかつ抵当権が第一順位になっているもののみに投資した方が良いかもしれません。

 

3-2.給与前借りシステムの不透明性

アップルバンクの独自案件として、給与前借りシステムの運用会社への融資がありますが、この給与前借りシステムはまだ日本国内において法的な規制が入る可能性もあります。そのためアップルバンクのメイン融資先が一つなくなる可能性があります。

ただし最近の案件を見てみると給与前借りシステム会社の融資の件数は徐々に減少しており、不動産開発会社や不動産事業会社への融資案件が大半を占めます。

給与前借りシステム会社が倒産したとしてもリスクはそれほど大きくないかもしれません。

 

3-3.会社の実態が見えにくい

アップルバンクは会社のホームページを見ても決算情報の掲載ページはあるのですが、実際には平成28年度の決済情報すらまだ掲載されていないという状態です。社長インタビューや社長の言葉のページなどもなく、住所や電話番号は記載してあるものの、社員数も明らかになっていません。

アップルバンクという会社の実態は把握は、情報開示を行っているページも少ないためなかなか難しいです。投資家としてはアップルバンクに対して積極的な情報開示を望みたいところでしょう。

 

4.アップルバンクはこんな人におすすめ

アップルバンクの利回りは平均的な数字となっており、担保の信用性でも第一順位の抵当権を持つものを選んでいけば、高い確実性を確保できます。ただし会社の実態がよく見えてこないため、事業者リスクは低いとは言えない状態です。

何か問題が起こった際に問い合わせなどの対応をきちんとしてくれるのか、また投資家の資金をどのように守るための取り組みを行っているのかなど、投資家に情報や会社の姿勢が伝わっていません。

昨今ソーシャルレンディング業界では融資先の不透明性が問題になり、また金融庁でもソーシャルレンディング会社各社に対し、投資家保護のために様々な情報開示の要請を行っています。

 

アップルバンクは現時点ではそれなりの実績を残してはいますが、まだ会社として信用できないという面があるのも否めないところです。メイン投資先にするのはやや危険かもしれません。ただ分散投資先の一つにする分には現時点での問題はないでしょう。

もしアップルバンクにメイン投資先にしたいのであれば、アップルバンクの情報開示が今よりも行われ、アップルバンクの経営方針や会社の業務体制がもっと整ってきたところで考えていったほうが良さそうです。


ランキング

  1. No.1利回りが高い会社として人気があるのがラッキーバンク

    ラッキーバンク

  2. No.2

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  3. No.3

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